まさに号泣。
『第16話』では辛さの方が先に立って泣けなかった私ですが、今回のBパートでは涙が止まりませんでした。 つ〜かね、なんなの、この『泣かせ』の波状攻撃は!
ひとつでも涙腺が緩んでしまうエピソードを次から次へと畳み込む情け容赦のない攻撃を受けたら、こりゃもう泣くしかないじゃないですか!
今回のエピソードは原作でも泣かされたところですが、アニメ版はそれ以上に私の『泣きのツボ』にクリティカル・ヒットで、京都アニメーションが本気を出したときの恐ろしさというものを改めて思い知らされました。
アバンは幻想世界から旅立とうとするボクと少女が描かれていますが、後から見ると、二人がつないだ手が朋也と汐がつないだ手とシンクロしているように思えます。
Aパートの初頭で騒ぐ子どもを大声で怒鳴りつける朋也からは、ささぐれだったものしか感じられず、あれじゃぁ汐が怖がって泣いてしまうのも仕方がありません。しかし、早苗さんの言いつけを守ってわざわざトイレまで行って泣く汐のいじらしいこと。
さすがに、罪悪感を感じた朋也は汐におもちゃを買ってあげるのですが、無意識に選んだのがロボットのおもちゃだったというのは、これもまた幻想世界とのシンクロなんでしょうか?
旅館で「ママのことが知りたい」と願う汐に「早苗さんから聞いてくれ」とすげなく答える朋也。早苗さんもアッキーも「渚のことを話すのは朋也でなければならない」と、あえて汐には話さなかったのでしょうが、これは二人にとってもとても辛いことだったに違いありません。この二人の愛情の深さには本当に頭が下がります。
朋也と汐の二人がたどり着いた場所は一面の花畑。その美しさに心を癒されたのか、朋也はよく見えるようにと汐を肩車するのですが、朋也が自発的に汐に触れたのって、汐が生まれた直後を除くとこれが初めてなのではないでしょうか?
花畑の中をロボットのおもちゃを持って嬉しそうに走り回る汐。ああ、ここで第1期のOPにつながるんですね。
ところが、汐はロボットのおもちゃを無くしてしまいます。また買えばいいと言う朋也に「あれがいい」と花畑の中必死に探しまわる汐。そんな汐の姿を見ているうちに朋也はかつて自分もここに来た事があることを思い出します。
そして、記憶をたどりながら着いた場所にいたのは、舟さん......ではなく(^^;)、父直幸の母、つまり朋也の祖母である岡崎志乃でした。
朋也と志乃さんを引き合わせるのも早苗さんの計画のひとつだったんですね。
そして、祖母から聞かされる父直幸の話。高校を中退して朋也の母となる敦子と結婚したこと。貧しいながらも二人幸せに暮らし、その中で朋也が生まれた事。しかし、敦子が事故で交通事故で亡くなり、絶望のどん底に落ちながらも、残された朋也を自分の手で育てるために、直幸が必死で生活したこと。
直幸は高校中退ですからできる仕事だって限られてくるだろうし、なおかつ子育て優先にしているから、それが原因で仕事上で苦労したり、時には辞めなければならないこともあったでしょう。何よりも、直幸には古河夫妻のような頼れる人がいなかったのです。それ故、直幸が酒浸りになったとしても、誰がそれを責められるでしょう?
親子で似たような境遇になりながらも、朋也を必死で育てようとした直幸と、絶望のあまり育児放棄をしてしまった朋也。
ここで初めて朋也は父親の自分に対する愛情を認識したのです....いや、思い出したといった方が正しいかもしれませんね。
そんな朋也に祖母は伝言を頼みます「(直幸に)もう、帰って来るように」と....
ゲーム本編でも涙が出て来たシーンですが、当然アニメでも涙モノです。
朋也が祖母と二人で花畑行くと、汐はまだあきらめずにロボットのおもちゃを探していました。そんな汐にかつて直幸が自分にしてくれたように、同じ目線になって、あきらめるようやさしく告げる朋也。
しかし、それでも汐はまだ諦めませんなぜなら、それは
「あれひとつだけだから・・・選んでくれて買ってくれたものだから…初めて パパが」
いやもう、ここで完全に決壊です。
「寂しかったか?」
「うん」
「汐・・・俺、傍にいていいかな?ずっと長い間、駄目なパパだったけどさ。これからは汐のために頑張るから・・・だから、傍にいてもいかな?」
「うん、いて欲しい」「でも、今日は大切なものを無くしたから悲しい。パパ、あのね・・・もうね・・・我慢しなくていい?早苗さんが言ってた、泣いていいのはおトイレかパパの胸の中だって」
そう言って朋也にすがりついて泣き出す汐。
汐を抱きしめる朋也。
ああ、ここで二人は本当の親子としてのスタートを切ることができたんですね。
ここまででさんざん泣かされましたが、これで許してくれるような京都アニメーションじゃありません。
帰りの列車の中で自ら汐に渚のことを話し始める朋也ですが、自分でも知らぬ間に涙を流していることに気がつきます。後から後から涙が溢れて止まらない朋也。
おそらく、朋也は渚の死を受け入れられず、あの日からずっと泣いたことが無かったんでしょうね。そして、涙を流した事によって、初めて渚の死を受け入れることができたのだと思います。
それにしても、涙を流す朋也を見てもらい泣きをしてしまう汐のいじらしさというか、可愛らしさは反則です。
「渚、見つけたよ。やっと、見つけたんだ。俺にしか守れないもの。俺にしか守れないかけがえのないもの。それは・・・ここにあった」
朋也復活。守るものがあるときの朋也は無敵です。
が、しかし、これでハッピー・エンドとなってくれないのが、『CLANNAD』なんですよね。何しろまだ18回なんです。前シリーズのように23回だったら5回、24回だったら6回残っているわけで、まだまだ一波乱二波乱あることは覚悟しましょう。
それにしても、汐の『駒田』ネタまで出てくるとは....ちくしょう、可愛いじゃないか!
さて、次回から父娘の生活が始まるのでしょうが、当然汐の幼稚園(保育園)送り迎えは朋也がやるわけで...となると、いよいよあの方のご登場かな?
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