第9話『子狐の子守歌〜berceuse〜』 2006/12/01放送

 「春が来て,ずっと春だといいのに」と言う真琴に「もうすぐ暖かくなるさ」と答える祐一。いやもうこの冒頭のシーンだけで切なくて....

 授業中,とても眠そうな名雪嬢,対照的に哀し気な表情を浮かべる祐一
 美汐に相談したくても,無視されてしまうし...

 放課後,「何でも買ってあげる」と言う祐一から100円ショップで鈴を買ってもらった真琴は,鈴を手首に下げ,チリンチリンと音を鳴らしながらとても嬉しそうな様子。

 秋子さんが夕食をカレーにしたのは,箸が使えなくなった真琴のことを考えてのことなんでしょうね。
 しかし,真琴はそのスプーンの使い方すらまるで幼児のようにおぼつかず,歯磨きすら自分ではできなくなってしまっている。そんな真琴の歯を磨いてあげる祐一は,まるでお父さんのようです。
 夜,「ピロが一緒に寝たいって」と,見え見えの言い訳をしながら
祐一のベッドに入ってくる真琴
 寝付けない祐一は一人でものみの丘に向かうが,後ろを振り向くと真琴の姿が...
 「またおいていかれるんじゃないかと心配して」と話す真琴が過去のことを思い出しそうになったとき,祐一は「思い出すな!」と叫び,「お前は人間の女の子だ」と真琴を抱きしめる。
 「一人で寝るのが怖い」と言う真琴に「もう一人にはしない」と告げる祐一

 翌日の放課後,いつも迎えに来ていた真琴の姿がなく,家にも帰ってきていない。祐一は街中を探し回るが,真琴の姿を見つけることはできなかった。
 「私がもっと気を使ってあげてれば」と言う名雪に,「全部俺の責任なんだ」と答える祐一
 そこに,泥だらけになった真琴が戻ってくるが,「ピロがいなくなってしまった」と言って倒れてしまう。高熱を出しながらも,祐一の手を握ろうとする真琴

 翌朝,登校しようとする祐一の服をつかみ,「今度は祐一がいなくなるよ」と引き留める真琴
 結局,祐一は学校に行かず,真琴と一緒にいることを選ぶが,真琴の言動はかなり幼児化してきている。

 美汐から電話があり,夜の街で真琴の話をする。
 「本来なら高熱を出した時点で(奇跡は)終わっているはずだが,真琴の祐一と一緒にいたいという思いによってかろうじて人の形を保っている。しかし,もう一度熱を出したら二度目を越えることはできない」と淡々と告げる美汐
 美汐の話によれば真琴はものみの丘に住む妖狐の一人であり,美汐もかつて人間に姿を変えた妖狐との出会いと別れがあったらしい。
 「相沢さんは本当に辛い目にあうんですよ」
 「相沢さんは強くあって下さい」と哀しげに話す美汐
 「心配するな,俺は元気だけが取り柄だ」と答える祐一は漢ですね。

 帰宅後,祐一秋子さんと名雪真琴が狐が姿を変えたものであることを告げる。
 名雪が半信半疑であるのは当然の反応だと思うけれど,「あの子も鈴の音が好きだった」とすぐに信じてくれた秋子さんは,やっぱり大物です。もっとも,秋子さんは祐一が子狐を飼っていたを知っていたそうなのですが...

 しばらくの間,学校を休んで真琴の側にいることを決意する祐一
 ますます幼児化が進む真琴
 いつも一緒にいる祐一真琴の姿を見て,「仲の良い兄妹みたいね,それとも恋人同士?」とおっしゃる秋子さんだけれど,胸中はどんな思いだったんでしょうか?同じ事は名雪にも言えますが...
 でも,祐一真琴に対する態度行動(たとえばミカンのシーン等)は恋人というよりは,父と娘だと思うんですが...
 前回と同じマンガを真琴に読んであげた祐一は,前回は「ベタ過ぎる」等半ばバカにしていたのに,今回は「良いお話だったな」と優しく告げる。
 「祐一と結婚したい。そうしたらずっといっしょにいられるから」と祐一に抱きつく真琴

 ここまでフラグた立ちまくったら,真琴後のストーリーが苦しくなるんじゃないかと心配になってきました。

 そして,次回はついに『真琴編』が最後を迎えます。
 もう予告を見ただけで泣きそうです...つ〜か,絶対に泣きますね。
 

第10話『丘の上の鎮魂歌〜requiem〜』 2006/12/08放送

 さて,前回「絶対に泣きますね」と書いた『真琴編』最終話ですが,正直言って最初に見たときにはまったく泣けませんでした。逆に話を詰め込みすぎてあっさり終わってしまったな...という気がしてガッカリしちゃいました。
 ゲーム本編における『泣きのシーン』が次から次へと繰り出されるもので,泣くきっかけを失ってしまったのかもしれません。もしかしたら,無意識に『Air』最終回のような「泣き」を期待していたために,泣けなかったのかもしれませんね。

 しかし,二回目に見たときには,余計なバイアスがかからずに見ることができたせいか,最初に見たときよりもずっと素直に心に染みました。

 真琴美汐の出会い。すでに言葉が話せなくなってしまった真琴に「お名前は?」とたずねる美汐の声のなんと優しいこと。当初は冷淡で人嫌いに見えた美汐ですが,実はとても優しい女の子だったんですね。

 もう一度熱を出して眠ってしまったら最後を迎えてしまう真琴のために何ができるかを考える祐一
 家族4人での外食。これは秋子さんの発案ですが,そんな祐一の気持ちを思いやってのことなんでしょうね。楽しげな晩餐。そしてこれは最後の晩餐になるわけです。
 夕食の後のプリクラ撮影(アニメではプリント機となってますが,これは商標登録上の問題みたいですね)。あれほどまでにも真琴が望んでいた一人きりではないプリクラ撮影がここに成就したのです。それも家族4人一緒というこの上もない形で...
 帰宅後の冬の花火。これは第6話で伏線が張られていましたね(真琴のネズミ花火アタック)。BGMも『冬の花火』だったかな...?
 これらはすべてゲーム本編では泣かせ所だったのですが,思ったよりもあっさりと過ぎていったような気が...もしかしたら,京都アニメーションはあえて抑えたのかもしれませんね。確かにここで盛り上がりすぎると,後が続かないですし...とはいえ,プリクラ撮影の場面ではうるっときたんですけれどね。

 その夜,熱を出す真琴。この場面での名雪の複雑な表情はどういう感情が込められていたんでしょうか?
 それにしても最後に眠ってしまうと消えてしまうって,『Air』の観鈴の原点はここにあったんですね。そういえば,彼女も幼児退行を起こしてましたっけ...

 翌朝,真琴の願いを果たすため,真琴を連れて家を出る祐一。二人をいつものように笑顔で見送りながら,その後で涙を流す秋子さん。この場面はゲーム本編でとても好きな場面であったため,もっと時間をかけて屋って欲しかったんですが,これは私の我が儘というものでしょう。
 玄関を出ると,そこには美汐の姿が。真琴を間に挟み手を繋いで学校へ向かう3人。この場面は『Air』の『美凪シナリオ』の最後の方で3人で一緒に帰る場面を彷彿とさせますね。その先に永久の別れが待っていることもまた一緒です。
 美汐の「友達ですから」という言葉がじ〜んときますね。本当にこの娘は良い子です。
 昼休み,校庭で一緒に雪遊びをする真琴名雪
 「帰ったらまた遊ぼうね」と笑顔で去っていった名雪ですが,きっとこの後泣いたんでしょうね。
 後に残った身を寄せ合うようにして並べられた2つの小さな雪だるまがとても印象的です。

 祐一真琴が向かった最後の場所はものみの丘。あたりは一面の雪景色なのに,何故かものみの丘には青々と緑が生い茂り,まるで春のような小鳥のさえずりが...
 真琴に白いベールを被せ,彼女が一番に望んだ『結婚式』をする祐一
 この時の祐一の今にも泣き出しそうな切々としたモノローグは心の奥底まで迫るものがありました。
 白いベールを風に飛ばされ泣きじゃくる真琴。この場面のアングルはゲーム本編そのままですね。
 そんな真琴を膝に抱いて「この音が好きだろ」と言って真琴の手首の鈴を鳴らす祐一
 しかし,最後の鈴の音とともに真琴の手から力が抜けた後,そこには真琴の姿はありませんでした。
 そして,真琴が姿を消した後にものみの丘は一面の冬景色へと姿を変えていました。
 やはりこれもまた奇跡のひとつだったんですね。

 それから何日後か...屋上(?)に一人佇む祐一の元に現れた美汐
 「春になったらまたあの子達はものみの丘を駆け回るのでしょうね。」等語る美汐の表情には以前のような暗さは見られません。それだけではなく,笑顔さえ見られるようになりました。彼女は祐一真琴の一件に関わったことで,何かふっきったのかもしれませんね。いやぁ,この美汐の笑顔が見られただけでも,今回は見た価値があるというものです。
 それにしても,「この街にはあの子達みたいに人間ではないものが暮らしているかもしれませんね」.と美汐が語る場面で,ヒロイン達を登場させるなんて...いいんですか?そんなネタバレ...(^^;)。
 美汐の「もし奇跡を起こせたら何を望みますか?」という質問に,「そんなこと決まってるさ」と祐一が言った後に現れたのは,春のものみの丘でピロと一緒に眠っている真琴の姿...と,ゲーム通りのエンディングを迎えたわけですが,果たしてアニメ最終回では,本当に奇跡がおきて真琴は再登場してくれるのしょうか?それとも,東映ヴァージョンみたいに声だけの出演?(^^;)

 しかし,祐一美汐の間の数少ないお約束事である「天野は相変わらずおばさんくさいな」「物腰が上品だと言って下さい」という掛け合いが見られなかったのは,なんだかとても残念でなりません。
 

第11話『光りと影の間奏曲〜intermezzo〜』 2006/12/15放送

 真琴シナリオが終了し,次にどう繋げるか少々不安ではあったのですが,それは杞憂でしたね。
 次のシナリオへの軟着陸をアポロ11号の如く見事に決めてくれました。

 アヴァンはまた『夢』の話。
 そして物語冒頭で,主を失った真琴の部屋が映されますが,いつ真琴が戻ってきてもいいようにと,部屋はそのままにしておかれることになります。
 このシーンは,アニメ独自のものですが,これによって祐一だけでなく名雪秋子さんも,真琴のことをきちんと思っていることがよくわかり,なんだかとてもほっとしますね。

 登校するなり祐一北川の制服コントが始まります。この二人,いつの間にこんなに仲良くなったんだ?という疑問はさておき,このコンビのギャグは笑えました。

 とも久しぶりの再開。なるほど,祐一は風邪で休んでいることになっていたんですね...でも,はどこでその情報を入手したのだろう?(^^;)。
 「こんなことしてるから良くならないんだ」とを家に帰そうとした祐一ですが,「ごめんなさい,わたしのわがままですよね」と悲しそうな表情をされちゃうと,「食べたいものあるか?」とすぐさま転進しちゃいます。
 そこで,がリクエストした食べ物は...はい,もちろんアイスです。当然バニラ味です。真冬の屋外で幸せそうにアイスを食べるの姿は可愛いけれど,端から見たらかなり恐怖を感じる姿ですね(^^;)。
 しかし,彼女が校舎に入って食べなかった本当の理由とは...

 昼休み,祐一がいつもの場所に行くと,そこに佐由理さんの姿はなかった。がガラスを割って職員室に呼び出されたらしいという話を聞いた祐一が職員室へ行くと,そこには心配そうな佐由理さんの姿が...
 結局今回は叱られただけでお咎めは受けなかったですが,どうやら学校では悪い方で有名な存在となっているようです。
 お腹が空いたというと一緒にいつもの場所で佐由理さんのお弁当。しかし,3つとも中身が異なっているとは,さすが佐由理さん...というより,この場合はさすが,京アニと言うべきか...食に対する拘りは半端じゃないですからねぇ(^^;)。

 放課後,延々とループする会話をする名雪祐一。この二人は北川がツッコミ入れなかったらどこまで続けていたんでしょうか...祐一はともかくとして,名雪は延々と繰り返していても不思議ではないような気が...
 「ゴリラっぽい女の子でもかわいく見せる方法は?」という祐一の失礼な質問に対して名雪が紹介したのが,掲示板に貼られていた『学園舞踏会』のポスター。
 宿題のプリントを教室にわすれたという名雪と「昇降口で待っている」と約束した祐一が向かったのは,佐由理さんの元。『学園舞踏会』のポスター(勝手に剥がしていいのか?(^^;)をに突きつけ「これに参加するんだ!」と告げる祐一。しかし,の返事は「近すぎて見えない」だけ...って,確かにこれは近すぎるよな...でも,3回「近すぎて見えない」って言うんだったら,離れて見たらどうですか?さん。
 とはいえ,これでこそなんですけれどね。
 『学園舞踏会』に参加することは同意するものの,佐由理さんもドレスを持っていないという。でも,心配ご無用,きっと佐由理さんがなんとかしてくださるはずです。

 待ちぼうけをくわされ「嘘つき」とふくれる名雪をなだめるためには...こりゃもうイチゴサンデーしかないでしょう。というわけで,3杯目のイチゴサンデーを満面の笑みで食べる名雪さん。このイチゴサンデーがまた本当に美味そうなんだよなぁ...
 店を出た名雪祐一がドレスの話をしていると,これまた久しぶりにあゆ登場。今回はタックル無しに普通に祐一の肩をぽんと叩くという,あゆらしくない登場でした(^^;)。
 唐突にドレスの話をふられて何が何やら状態のあゆに「そんなことじゃ,いつまでも,うぐぅのままだぞ」を訳の分からぬツッコミを入れる祐一
 それに対して「すごく失礼な言い方だったよ」「そうそう,祐一君失礼だよ」「ね〜」と何故か意気投合するなゆあゆ。この後互いに「誰?」と首を傾けるまでの間が最高でした。
 そういえば,以外にもこの二人が顔を合わせたのはこれが初めてなんですよね。

 そのまま水瀬家へ向かう3人。初対面なのに何故か仲良さげななゆあゆ
 家に帰ると,出迎えた秋子さんの腕の中にピロの姿が...
 ピロを見たあゆの言葉により,ピロがたい焼き泥棒の共犯者であったことがあきらかになります...って相変わらず祐一あゆに対しては容赦がありませんね。

 秋子さんの一秒了承のもと,水瀬家で食事をすることになったあゆ家に電話をかけるが,誰も電話口に出ない。突然「思い出した。僕の家の人達旅行でいないんだよ」とオオボケをかましてくれるあゆさん...まぁ実際はそうじゃないんだけれどね(^^;)。
 それを聞いて「おうちの人が帰るまでここにいたら?」と提案する
名雪秋子さんも「大歓迎よ」ということで,あゆはしばらくの間水瀬家で暮らすことになります。

 夕食時の祐一あゆのあの踊りはいったい何だったんでしょうね?
 しかし,真琴の件について何も知らないあゆの「真琴さんはどうしたの?」「もう一度お話したかったな」という言葉はチクリと心に痛かったですね。

 「あゆが泊まることになって嬉しそうだな」と言う祐一
 「家族が一人減っちゃったでしょ。明るく振る舞っているけれど,お母さんすごく寂しそうだった。それに私も。だから,あゆちゃんのおかげでにぎやかになってとても嬉しい。それに私,あゆちゃんと絶対に良いお友達になれそうな気がするの」と答える名雪
 ここもアニメ・オリジナルのシーンですが,これによって,秋子さんも名雪も大きな喪失感を感じていたことが良くわかります。
 それにしても,こんなこと言われたら,祐一でなくても頭を撫でたくなっちゃいますよね。
 「一言よけい」と言いながらもなんとなく嬉しそうな名雪の顔が実に可愛らしい。

 名雪あゆと3人で風呂にはいることを拒否されて,傷心のまま(^^;)学校へ向かう祐一
 もちろん,に会うために。今回のエサはコンビニ寿司です(^^;)。
 真琴の話をする祐一。当然ならこの話を信じたでしょうが,はたしてどのような感想を持ったのか知りたいところですね。

 二人同じベッドで眠るなゆあゆは,まるで仲の良い姉妹のように見えます。

 翌朝,食卓に並んでいたのは真っ黒になった朝食の残骸...そう,実はあゆは料理のスキル0だったのです。
 二人でランニング登校しながら,あゆが通う学校がどこであるのか疑問を抱く祐一名雪
 頑張って走ったおかげか,授業開始10分前に着き,「奇跡だな」と言う祐一
 「奇跡ってそう簡単に起こるものじゃないのよ」と冷たく言い放つ香里
 授業中,中庭にいるに手を振る祐一の姿を複雑な表情で見る香里
 香里の物語も徐々にですが,平行して進んでいるというわけですね。

 昼休み,祐一達の教室を訪ねてくる佐由理さん。
 ドレスを借りることができたので,一刻も早く知らせたかったらしい。しかも,当然の如く
祐一が着るタキシードまで借りたとのこと...
 「もっと喜べよ」と
祐一に両手をとられてバンザイさせられるの姿が,無表情なだけにかえって可愛らしく見えますね。しかし,ここまで無防備かつ無抵抗なの姿を他の人達が見たら吃驚するだろうな(^^;)。

 その夜,祐一が差し入れに持っていったのは....はい,いよいよ牛丼の登場です(あ〜,吉野屋の牛丼が食べたいなぁ(^^;)。これで,各ヒロイン達の好物が出揃ったわけですね。
 「嫌いじゃない」の台詞も出たし,まだ本人は使っていないけれど,
祐一から「はちみつクマさん」「ぽんぽこタヌキさん」で返答をするようアドバイスもされてます。普通ここは怒るところだと思うんだけれど,これを素直に受け入れちゃうんですよねぇ,て娘は...(^^;)。
 突然,牛丼を食べるピッチが上がり,食べ終えたと同時に魔物と戦う。しかし,咀嚼しながらの戦いってのは,なんだか間が抜けて見えますねぇ(^^;)。
 しかも,戦い終えた後もまだ口の中に牛丼が残っていたようで,
祐一の「しとめたのか?」という問いに対しても「もぎゅもぎゅ」と答える始末...
 
のクールな美貌と相反したこうゆうところが実に可愛らしいんですよねぇ。

 が,しかし,今回は作画の乱れが目立ちましたね。特にあゆを交えての食事のシーンはとても京アニとは思えない酷さです。まあ他の酷なアニメを比べたら全然OKなんですけれど,京アニには京アニ・クォリティを持続して欲しいというのは,私の我が儘なんでしょうか?(^^;)
 

第12話『異形の円舞曲〜waltz〜』 2006/12/22放送

 アヴァンは前回同様『夢』の話。

 冒頭は祐一の夢。あゆ祐一の7年前の記憶。ここで初めて重要アイテムのひとつ『天使の人形』が登場します。
 夜明け前,目を覚ました祐一が廊下に出ると,そこにあゆの姿が。
 「幽霊は幽霊の話をすると寄ってくる」って...(^^;)。
 あゆのトイレに付き合った後,二人でベランダに。ここで祐一が高所恐怖症であること,そしてあゆも高いところが苦手であることが明らかになります。そりゃそうだよなぁ(^^;)。
 名雪について「綺麗で素敵な人」と話すあゆ。それだけならいいんですが,「大きくなったら,名雪さんみたいに綺麗になれるかな?」って....(^^;)。
 祐一から名雪が同い年であることを知らされショックを受けるあゆ。まぁ身体的な差は歴然としていますが...(^^;)。

 朝(午前5時半過ぎって,何故そんな朝早くに(^^;),寝ぼけたまま起きてくる名雪
 「ケロピーはここ」と椅子にケロピーのぬいぐるみを置き,
 「そして私はここ」と隣の椅子に座ったまま眠り,祐一から肩を揺らされながら
 「揺れてる,おおぉ〜」とつぶやき,しまいには思いっきりテーブルに頭を打ち付けても起きる気配のない名雪。彼女はこの見た目とのギャップが良いんですよねぇ...もっとも,登校時走る姿は別人みたいに早いのですが...
 あゆの通う学校は「休みたいときに休んでいいし,好きな時間に登校して,好きな時間に帰っていい」とのことですが,そんな学校あるわけ...ないですよねぇ...

 通学路で佐由理さんに遭遇。
 「あ〜,祐一さんですね」「おう,祐一さんだぞ」という定番のやりとりのあと,
 の口から「はちみつクマさん」「ぽんぽこタヌキさん」の言葉が...実は密かに気に入っていたみたいですね。しかし,自分から言わせておきながら,「かえってひかれそうだな」ってのはないと思うぞ,祐一君。
 「舞と自分は背負っているものが似ている,そして祐一もまた似ている感じがする」と話す佐由理さん。

 とアイスクリーム第2弾。
 しかし,木製スプーン(というかヘラ?)でアイスクリームをすくい取る場面にあれほど力を入れなくても...ほんと,京都アニメーションの食に対する拘りは半端じゃありません。
 に奨められてアイスクリームを食べる祐一...って,ふつ〜こういう状態を間接キスとは言いませんか?
 一気食いをして頭痛がするという祐一に,「これは解熱剤,これは鎮痛剤」等次々と薬を取り出す。一体どこにしまっていたんでしょう?これがあの有名なの四次元ポケットなんですね!
 「舞踏会に出損なったシンデレラ...なんて,ちょっとカッコイイですよね」と言う
 「王子様の代わりに,俺で我慢しておけ」と答える祐一。こうやってナチュラルに殺し文句を言ってしまうのが祐一クォリティ?

 祐一が校舎内に戻ると,一人の女の子が話しかけてくる(この娘がまた可愛いんですよねぇ)。
 この1年生の彼女の話により,が初日に倒れて以来学校には来ていないこと,そして名字が美坂であることが判明。そうです,あの香里と同姓なんですね。
 しかし,「妹がいるだろ?」とたずねる祐一に「私には妹なんていないわ」と言い放つ香里
 北川によれば,香里は2年生になってから雰囲気が変わったらしい...つ〜か,まずその格好をどうにかしなさい,北川君(^^;)。
 しかし,親友なのに妹がいるかどうかも知らないなんて,どうかと思うぞ,
名雪さん(^^;)。

 祐一が家に帰ると,秋子さんとあゆが二人で仲良く商店街に買い物に出かけるところ。
 ソファーに座ったままいつの間にか眠ってしまった祐一が見たのは,またしても7年前の夢。
 名雪から千円を借りて家を飛び出すちび祐一。この間の名雪祐一の会話が最高です...でも,一歩間違えたらヒモとその女の会話だよなぁ,これって(^^;)。
 名雪から借りた千円で取得したクレーンゲームの天使人形をあゆに手渡す祐一
 「ずっとずっと大切にするから」と喜ぶあゆは,自分が元気になれたのも祐一のおかげであると話す。

 タキシードに着替えた祐一が舞踏会会場(といっても体育館だけれど)に入ると,そこにはドレスを着て見違えるように清楚なお嬢様と化したの姿が。
 それでも,「ドレスが似合っている」とか「誰よりも綺麗だ」とか誉める祐一佐由理さんに,無言のままチョップでツッコミを入れるは,やっぱり舞でした。
 佐由理さんが別の場所に挨拶に行ったのを待っていたかのように祐一の前に姿を現したのは生徒会長を名乗る久瀬という男。いやぁ,典型的な小悪党ってキャラですが,やっぱり下の名前は無いままなんでしょうね(^^;)。
 「万が一この行事を台無しにするようなことがあったら,学校に掛け合って容赦なく処分する」と
に告げて立ち去る久瀬会長。
 しかし,
は「本当のことだから」とまったく気にしてない様子。
 「誰かと踊ったらどうだ?」と言う祐一
 「私は祐一がいい」と答える
 しかし,「モンキーダンスしか踊れない」と言う祐一も時代錯誤甚だしいけれど,それに対して「おさるさん?」と斜め45度の反応をするは,「私こういう場所不慣れだし,祐一にそばにいてほしい」という台詞や,祐一が差し出した手を「ん?」と不思議そうに覗き込む姿を含め,実に可愛らしいですねぇ。
 彼女もまた外見とのギャップが著しいキャラの一人ですね。

 祐一とともに踊り始める
 二人とも踊るのは初めてなはずなのに,なんですか?その華麗な舞姿は!
 いやぁ,今回京都アニメーションはこの二人のダンス・シーンに最も力を入れたって感じがしますね。
 そんなの姿を見て「なんか見違えちゃったね」と好評なギャラリーの声を聞いてにっこり微笑む佐由理さん。
 当然その声は踊っている二人の耳にも入り,
 「好評だぞ,やったな」と嬉しそうな祐一
 そして頬を赤らめながら「ありがとう,祐一」と礼を言う
 あまりにも素直なの礼に戸惑う祐一

 しかし,幸福でで穏やかなときもここで終了。
 突然体育館に出現した見えない魔物によって窓という窓は割られ,そして次々と吹き飛んでいくテーブル。
 魔物が目指す,その先には佐由理さんの姿が。
 姿の見えぬ魔物に突き飛ばされ,壁まで飛ばされて倒れてしまう佐由理さん。
 一度,体育館から姿を消し,次に現れたとき,が持っていたのは,いつものあの剣。
 祐一の制止する声にも耳を傾けず,見えない魔物と戦いを繰り広げる
 それは,まるで孤独なダンスをしているようで,先ほどの祐一とのダンスとは対照的な姿。
 しかも,周囲の人達には,が一人で剣を振り回して暴れているようにしか見えないのです。
 戦いが終わった会場は惨憺たる有様。

 久瀬の「やってくれたな,川澄さん。ただですむと思うな!」と三下悪役のような台詞で今回は終了。

 前回ちょっと不安だった作画も,今回は満足できるものでした。
 1クールなら今回もしくは次回で最終回なのですが,Kanonは2クールですから,まだ残り12回もあるのです。いやぁ,実になんとも贅沢な話ではないですか!
 

第13話『あぶなげな三重奏〜trio〜』 2006/12/29放送

 『あぶなげな三重奏』って,なんだか『フルメタル・パニック』のようなタイトルですね(^^;)。
 ま,それはともかくとして,今回のアヴァンは『夢』の話ではない...ということは,正式に『舞ルート』に入ったってことでしょうか?

 前回の舞踏会騒動の件で,生徒会長久瀬の陰謀により退学させられそうになったですが,北川の機転により,今回は無罪放免に...
 しかし,北川にあの似非プレスリー風衣装で司会させるような生徒会に生徒を退学させる権限なんってあるんですかねぇ...それにしても,北川君はただのギャグ要員かと思っていたら,そうではなかったんですね。舞踏会の実行委員ということですから,学内ではそれなりに信用されてるってことなんでしょうか?
 それにしても,助太刀してもらいながら「お前,いい奴だったんだな」だなんて,酷すぎやしませんか?祐一君(^^;)。

 休み時間は中庭で待つとお話。今回はアイスは無しです。
 今回ようやく美坂香里が自分の姉であることを明らかにしたですが,祐一から香里は一人っ子だと言っているという話を聞かされると,「同姓同名の人がいるんです」といかにも苦しげな言い訳をします。それでも「私,お姉ちゃんのこと大好きです。元気で一緒に学校に行きたいです」と健気な様子の
 寂しげなを見てデートの約束をするラブ・ハンター祐一(^^;)。そして,そんな二人の様子を階段の踊り場の窓から複雑な表情で見つめる香里

 いつもの屋上踊り場での昼食を済ませた3人の前に久瀬が登場。
 この次問題を起こしたらを退学させ,を庇った佐由理もただではすませないと凄む久瀬を「佐由理を傷つけたら絶対に許さないから」と睨み付ける。そのまますごすごと引き下がる三下悪役のような久瀬君。
 「舞,格好良かった」って,佐由理,ちょっと何か間違っているような...(^^;)。

 突然,屋上で木刀を持って素振りを始める祐一。いや〜,これが木刀で良かったです。もしも金属バットだったら,転校しちゃったかもしれません(^^;)。
 いや,それ以上に,何の予告もなくバケツや消化器を投げつけてくるの方がアブナイのかもしれませんが...「いぬさん,わん」「いのししさん,も〜」という可愛らしい言葉とやってることが違いすぎます。

 商店街であゆと普通に遭遇。
 あゆ曰く,あゆの学校は森の方にあるらしい。
 まだ捜し物が見つからないというあゆに会わせるために夜の学校に連れていく祐一
 夜の学校で3人並んでせんべいを囓る姿というのもなかなかシュールなものですね。
 が話すには,学校にいる魔物は全部で5匹らしい。
 「舞さんって不思議なひとだね」って,それはあゆからは言われたくない台詞だよなぁ(^^;)。
 「あゆの捜し物を見つけてくれないか」と頼む祐一に,
 「私には何も言えない」「私が見つけても意味がない」と答える
 それにしても,夜も遅い時間だというのに,あゆを一人で帰らせるとは,なんという人でなしなんだ,祐一くんは!
 そういえば,あゆに手渡した『ぽたぽたせんべい』って,『Air』で往人美凪母の米運びの手伝いをしたときにもらい,その後でしのさいかちゃんにあげた物と同じですよね。

 あゆについて「あの子強い子」「私は待つことが出来なかった。でも,あの娘はずっと待ち続けている」と祐一に話す
 魔物を倒すものの,自分の命に従わずに動いた祐一に対して,「余計なことはしないで欲しい」と冷たく言い放つ。そんなこと言われたら,祐一でなくてもそりゃキレますよ。しかし,キレながらも「俺も佐由理さんもお前のことが好きなんだぞ!」と言っちゃうあたりは,さすがは祐一です。

 翌朝,寝ぼけ名雪の素敵なシーンが繰り広げられます。
 トイレで着替えようとしたり,トイレのドアに衝突したり,はてはふらふらと眠りながら歩いたり...
 まったく,祐一が来るまではどうしてたんでしょうね?
 いや,この状態は祐一がいるからなのかもしれません....

 昼食時,祐一の問いに答え,と知りあうきっかけとなった出来事について話す佐由理さん。
 の牛丼好きにはこの思い出が絡んでいるんですよね。
 
祐一に顔を近づけ,放課後,舞のことで大事な話があると囁く佐由理さん。
 このときの佐由理さんがなんだかとても色っぽく見えてしまったのは,私の煩悩のせいでしょうか?(^^;)
 結局,大事な話というのは,明日の舞の誕生日のプレゼント選びだったんですけれどね。
 祐一のアイデアで,この街で一番大きいぬいぐるみを買うことになるのですが....よりによってそれが,一分の一スケールの大アリクイとは....
 しかし,店主の話から,その大アリクイのぬいぐるみが,自分と舞が知りあった頃に入荷されたものだと知って,キュピーンときた佐由理さんは,それを買ってしまいます。「人気がない」ということもを彷彿とさせたのかもしれませんね。
 ところで,この
大アリクイのぬいぐるみの横には『Air』に出てきたナマケモノのぬいぐるみが置いてあったのに気が付きましたか?そして,一瞬だけれど,ポテトが映ったのも。一番最初に大アリクイのぬいぐるみ映ったとき,ナマケモノのぬいぐるみとの間にポテトがいたんですよ。ただ映っていたのはこのときだけなので,もしかしたらあれはぬいぐるみではなく生ポテトだったのかもしれません(^^;)。
 それにしても,大アリクイのぬいぐるみを背負っている佐由理さんのなんと可愛いこと!

 その夜,学校で牛丼を食べながら「(佐由理さんの他に)仲いいやつっていないのか?」という祐一に問われ,箸で祐一をさす
 まっ,なんてお行儀の悪い...というより,二人ともケンカしてたんじゃないですか?(^^;)。
 「昔一人だけいたけれど,他の人と同じようにいなくなってしまった」と話す

 今晩は何故か魔物が二体登場し,
祐一に襲いかかる。
 
祐一が防戦する間に,は一体をしとめるが,もう一体はのがしてしまう。
 しかし,
が言うには,今日魔物が狙ったのはでなく祐一だったらしい。
 「祐一,あなた,誰?」という
の台詞で終了。
 

第14話『ひびわれた協奏曲〜concerto〜』 2007/01/05放送

 「祐一,あなた,誰?」という言葉を思い出して悩んでいる様子の祐一の前には「人参だって食べられるよぉ」と,糸目状態の名雪の姿が...そして,あゆの前に現れたのは...そう,あの『謎ジャム』でした。それを見てそそくさと逃げ出す祐一名雪...なんですか,その今生の別れの用は言葉は...(^^;)。
 謎ジャムをパンにたっぷりと塗りつけている
秋子さんの姿は,なんだかとてつもなく恐ろしいホラー映画を見ているような...今回はそんな絶妙なアヴァンから始まりました。

 登校途中,祐一に重要アイテムのひとつであるウサ耳を手渡す名雪。演劇部から借りてきたというけれど,ウサ耳を使うなんて...いったいどんな演劇部なんでしょう(^^;)?
 しかし,それをあっさりと被ってしまう
祐一もまた大物というか...その後ろを歩くおばさんの何かアブナイ物を見るような目つきが,またたまりません(^^;)。
 ウサ耳を見て,一瞬過去の記憶を蘇らせる
祐一。あのウサ耳少女の正体は...

 昼休みの『しりとり』の場面を見ていると,が外見に似合わず幼い面を強く持っていることが良くわかりますね。
 放課後,屋上でから戦いのトレーニングを受ける祐一。剣を持ったは本当に強く,祐一はまったく太刀打ちできません。しかし,後ろを見せたからって,尻を叩かれるのは,男としては侮辱的ですよね。
 そんな二人の前に現れた
佐由理さんは自分も訓練に参加すると言いますが,木刀を持っただけで転んでしまう(しかも前から)という素晴らしい運動神経ぶりを見せてくれます。このシーンを見ると,中の人が同じという理由もありますが,『Air』で観鈴が何もない所で見事に前から転ぶシーンを思い出してしまいますね。そ〜いや,みちるも中の人は同じなんだけれど...いやぁ,声優って凄いなぁ...
 そんな佐由理さんに対して「邪魔」と言い切ってしまう。もちろん,これは佐由理さんを危険な目に合わせたくないという理由からなんだけれど...ほんと祐一じゃないけれど,て不器用な娘ですね。

 帰宅途中,街で佐由理さんと遭遇。一緒に入った百花屋で,祐一佐由理さんから彼女の亡き弟の話を聞きます。いやぁ,ここで『佐由理シナリオ』を持ってくるとは...卑怯なり,京都アニメーション。病室での水の入っていない水鉄砲のシーンでは思わず涙ぐんでしまったじゃないですか!
 「弟を亡くしてから笑えなくなってしまった自分がまた笑えるようになったのは
のおかげ」と話す佐由理さん。この場面で何気なく手首のリストカットの痕を見せるあたりも憎いですねぇ...
 そして,
佐由理さんが話す百花屋で流れるBGM『Kanon』の意味。これはある意味『Kanon』という物語の根底となるものですが,ゲーム本編では語られなかったものなんですよね。

 後で一緒にの家に行こうと佐由理さんと約束して帰宅した祐一を出迎えたのはあゆ。さすがにあのジャムはきつかったようですね。
 午後8時近くになっても
佐由理さんから電話が来ないので,学校にいる(と思われる)を迎えに行く祐一。ところが,祐一と入れ違いに水瀬家に電話をした佐由理さんは大アリクイのぬいぐるみを背負い,一人で学校へ向かってしまいます。
 不安なまま学校に到着した
祐一が目にしたのは,茫然と立ちつくす,そして,その視線の先には血まみれで倒れている佐由理さんの姿が...。

 幸いにも佐由理さんは出血の割には軽い怪我であり,命に別状はないということで一安心。
 しかし,自分のせいで
佐由理さんに怪我を負わせてしまったと思い,激情に駆られたは,剣で破壊の限りをつくします。つ〜か,壊しすぎですよ,さん。彼女を本当に怒らせたら命がいくつあっても足りませんよね,いやほんとに(^^;)。
 しまいには剣で自らののどを突き刺そうとするを必死で止める祐一
 泣きながら
祐一の説得に耳を傾けるの表情の,実になんとも可愛らしいこと。
 「学校に戻って決着をつけよう」と話す祐一
 「祐一がそう言うならそうする」と答える

 そして,二人が二体の魔物と対峙するシーンで今回は終了。

 いや〜,良かった。これまでの14回の中で今回がベストだと思います。
 アヴァンの『謎ジャム』からラストまで,1秒たりとも無駄のない実に見事な構成でした。
 作画の方もこれぞ京都アニメーションの底力ってものを見せてくれたような気がします。
 しかし,今回の白眉はなんといっても『佐由理シナリオ』です。
 これを見れば,「あはは〜」と笑う単なる脳天気姉さんにしか見えなかった佐由理さんが,実は心に大きな傷を抱えていたこと,そして何故ににあそこまで献身的に接するのか,その理由が良くわかると思います。
 実は私も,本編ゲームの『佐由理シナリオ』で佐由理さんファンになってしまったんですよね。
 もちろん,No.1キャラは
ですけれど...
 

第15話『かくれんぼの小奏鳴曲〜sonatine〜』 2007/01/12放送

 アヴァンは前回のラスト同様二人が二体の魔物と対峙するシーン。

 最後の戦いが繰り広げらる中,何故か魔物を倒す度にの手足にどす黒い痣が浮かび上がり,手足の自由が利かなくなってきます。
 「祐一にそばにいてほしい」と祐一に告げる。おっ,これは愛の告白か?と思ったら,「囮になるから」だそうです...と,言いながらも祐一の肩に頭を乗せて目を閉じるにとって,祐一は信頼できる存在なんでしょうね。
 そこに現れた最後の一体を,は,階段の上から落下速度を利用して倒そうとするが,失敗。祐一に裏庭に向かうように告げる。魔物に襲われた祐一が落ちた先がその裏庭だったのですが,もし雪が積もってなかったら,あの高さじゃぁ祐一も無事ではすまなかったでしょうね。
 しつこく
祐一に襲いかかる魔物。しかし,祐一には魔物が何かを伝えようとしているように思えてならなかった。
 魔物の攻撃を防いでいた
祐一の木刀が砕け散り,あわやというとき,満月をバックに屋上から飛び降りながら魔物に攻撃を加えるの姿が...。これはゲーム本編でも幻想的で魅力的な場面でしたが,動きのあるアニメで見ると,さらに魅力的ですね。無音から『少女の檻』(ゲーム本編の音源からオルゴール・ヴァージョン)へとつながるBGMの使い方もさすがです。
 断末魔の悲鳴をあげて消えていく魔物。それを見届けた後,崩れ落ちるように倒れた祐一に向けた第一声が「牛丼食べたい」って...その後もしきりに「お腹空いた」と繰り返すし...まったくなんて食欲大魔人だこと...と,思ったらそうじゃなかったんですね。
 実は魔物はもう一体残っており,
祐一を危険から遠ざけるために牛丼を買いに行かせたのです。

 祐一の前に現れた魔物の最後の一体が形となったその姿は,幼い頃のの姿でした。
 ここから,の過去の物語になります。
 幼い頃,病気の母親と二人で暮らしていた。しかも,その母親は死の病に冒されているようなのです。
 母親は死ぬ前に一度を動物園に連れていこうとしますが,それも叶わぬ夢。が作った雪ウサギの動物園のエピソードは泣かせます。
 医者も見放した母親の命を救ったのがの持つ不思議な癒しの力。その力は評判となり,は『びっくりショー』に出演して瀕死の小鳥を蘇らせるのですが,しかし,その力は世間から信じられず,猛烈なバッシングを受けるようになってしまいました。
 そして母子二人が逃げるようにしてやってきたのが,水瀬家のあるあの北の街だったのです。
 引っ越しても独りぼっちで麦畑にいたの前に現れたのが,幼い頃の祐一。それは祐一あゆと出会うよりも前,十年前の出来事です。の不思議な力を見ても怖がらない祐一と仲良く遊ぶようになった
 ウサギ耳はこのとき祐一に与えたアイテムだったんですね。しかし,ウサギ耳なんてマニアックな物を祐一はどこから入手してきたんでしょうね
 夏休みが終われば家に帰らなければならない祐一を引き留めるため,がついた嘘が「麦畑に魔物が出るから一緒に護ろう」....そうです,学校に現れた魔物はの力が半ば実体化したものだったのです。
 麦畑が無くなり,整地され,そして学校が建てられる時の流れ,そしてそれを見ているの姿が,彼女の孤独を浮き彫りにしているようです。

 一人で最後まで戦い続けようとするに,魔物は自身が産み出したものであることを告げる祐一。その後ろには幼い頃のの姿をした魔物が...
 の頭にウサギ耳を被せ,「剣を捨て,あの頃の舞に戻るんだ」と告げる祐一に「剣を持たない私はとても弱いから祐一や佐由理に迷惑をかける」と答える
 「俺も佐由理さんも舞のことが好きだから」と話す祐一に,涙を浮かべ「ありがとう,本当にありがとう」と言いながら,は突然自分の胸に剣を突き刺してしまいます。
 実はゲーム本編では,この後佐由理さんが卒業式を迎えるシーンはあっても,が助かるシーンは無いんですよね。なので,当時は死亡説(卒業式は祐一が望んだ夢)と生存説に別れて一大論争があったものです。私はは死んだと思い,なんだか後味の良くない終わり方だったという印象が強かったのですが...
 さて,京都アニメーションはどうするのかな,と思ったら,の力のカケラのひとつであるの姿をしたモノの力によっての傷口が塞がり命を救われるというシーンがきっちりと描かれていました。そして,がかつて自分が忌み嫌った力を受け入れたということも明らかになり,しかも,「私のことは希望と呼んで欲しい」というの力のカケラによる素晴らしい台詞まで残してくれてるんです。

 最後は朝日を浴びながら目覚めようとする祐一が「夢は終わったんだ」と声をかける場面で終了。

 今回も『真琴シナリオ』の時と同様,最初に見たときは,話を詰め込みすぎてあっさり終わってしまったな...という気がしたのですが,やはり前回と同様,二回目に見たときの方が楽しめました。
 『Air』もそうでしたが,京都アニメーションの作品って,繰り返して見るほど面白さがわかってくるものが多いように思います。でも,これは逆に言えば,一度見ただけでは楽しめない部分もあるってことであり,実際に,ネット上では「一度見ただけで理解できないようなアニメはよろしくないのではないか」という評価をする人も見かけます。
 でも,私は繰り返し見れば見るほど発見があり楽しめる『Air』や『Kanon』のような作品の方が好きなんですよね。だって,高い金払ってDVD買うなら,そっちの方が絶対にお得でしょ(^^;)。
 まぁ,そういう意味では京都アニメーションの作品って,一見さんお断りみたいな面ってあるかもしれませんね。

 また,エンディングが薄味であるという評価も良く見かけますが,実は京都アニメーションはあえて『真琴シナリオ』と『舞シナリオ』のエンディングをあっさりとしたものにしているのではないでしょうか。おそらく京都アニメーションの力をもってすれば,『真琴シナリオ』も『舞シナリオ』も滂沱の涙の感動モノにすることも出来たはずです。しかし,『Kanon』は複数のシナリオを持つ作品ですから,先に来るシナリオをあまり濃厚なものにしてしまうと,後のシナリオが薄味に感じてしまう恐れがあります。しかし,先に来るシナリオをあえて薄味にしておけば,最後に来るシナリオが怒濤の感動モノになるではないですか。
 いや,そうあって欲しいという願望もあるんですけれどね(^^;)。

 さて,次回からは『栞シナリオ』かな?
 

第16話『真夜中の聖譚曲〜oratorio〜』 2007/01/19放送

 アヴァンは祐一あゆと出かけたと聞いて何やら不安げな表情の名雪

 祐一あゆが行ったのは,佐由理さんが入院している病院。二人が同室なのは倉田家の力でしょうか?
 それにしても,「季節はずれの熊に襲われた」って...佐由理さん,あなたって人は...
 「卒業式までには退院できない」と言う...というと,あの卒業式イベントは無いのかな?
 「辛いことから目をそらさないお前は強い」と言う祐一に,「辛いことから目をそらせている人は祐一のそばにいる,力になったほしい」と告げる

 二人の病室を後にした祐一あゆは,と遭遇。
 を迎えに来た看護婦さんは,あゆの顔を見て何故か不思議そうな表情...それはまるで,ここにいるはずのない人を見てしまったかのような...を浮かべます。

 翌朝,何故か起きてこない秋子さんの替わりに朝食を作るあゆ(名雪は朝練)。出てきたモノは当然のように炭化していました。う〜む,あゆの料理スキルはマルチ並みのようですね...中の人も一緒だけれど(^^;)。
 登校する祐一を「秋子さんが...お母さんみたいに」と必死に追いかけてくるあゆ。どうやら秋子さんは熱を出して寝込んでいたようです。秋子さんが心配でならないあゆは留守番をすることに。

 授業中も物憂げな表情で起きていましたことからも,名雪秋子さんのことが心配でならない様子が伺えますが,それでも電話であゆに雑炊の作り方を教える等,頼りになるお姉さんぶり(といってもあゆとは同い年だけれど)を見せてくれます。

 そんな状況なのに,しっかりとデートの約束をとりつけてしまう祐一ってど〜よ,と思う人も多いかもなぁ...(^^;)。

 というわけで,翌日曜日はとデート。
 ゲーセンでの脅威の0点モグラ叩き,公園での似顔絵描きといった本編ゲームでもお馴染みのシーンを見ることが出来ます。しかし,いくらがゲーム・センターに入ったことがないからって,「狐か狸じゃないだろうな」って...ここで真琴の話を出さなくても...(^^;)。
 また,の描く絵は,確かゲーム本編では人物画というよりは抽象画といった趣だったような記憶がありますが,アニメではそこまでは前衛的なものではないみたいですね。それでも「似顔絵描きは合わない」と言いながらも,せっかくだからと描いた絵をもらうあたりは,さすがに天然スケコマシの祐一君だけはあります。
 公園で雪合戦をしたり,雪だるまを作ったり楽しそうな二人...しかし,明日をもしれぬ病人とは思えない元気さだよなぁ...栞ちゃんって...
 でも,これは他のblog等にも書かれていたけれど,主題歌『Last regret』の
「最後まで笑ってる強さを
 もう知っていた」
 の歌詞はのことだと思えば納得できますね。
 自分の運命を知っているからこそ,最後まで普通でいたいと頑張っている,そんな健気な娘なんですよ。

 最後に訪れた高校の教室(がいるはずだったクラス)で,は,自分が幼い頃から身体が弱く,学校の授業に耐えられないこと,そして,そんな自分の夢は「お姉ちゃんと一緒に学校に行って,一緒に中庭で弁当を食べて,仲良く二人で帰って,夜二人で学校のことを話すこと」と話す

 帰宅した後,香里から電話で呼び出される祐一。いや,別に決闘でも愛の告白でもありません(^^;)。
 降りしきる雪の幻想的な美しさもさることながら,明るい照明の元に立っている
祐一と,照明の届かない暗い所に立っている香里のコントラストが,二人の現在の立場を現しているようで,実に印象的ですね。
 ここで初めて
が自分の妹であることを認める香里。しかし,彼女は「医者から『は次の誕生日まで生きていられない』と言われている」と衝撃的な事実を祐一告げるのです
 
祐一の胸にすがりつきながら「何のためにあの娘は生まれてきたの?」と泣きじゃくる香里
 ゲーム本編では,この場面で香里に転んだ人も多いと思いますが,何を隠そう,私もその一人であります。
 クールな女の子がふいに見せる弱さってのに,男は弱いんですよねぇ...
 

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